人気のアクション映画などには、よく「脱出」や「逃亡」という名がつけられている。
命からがら逃れたりするハラハラ感にたまらない魅力を感じる。
こういった映画がヒットするのも
心跳率、
人の中には脱出願望といったものがあるせいのようだ。
アメリカで、19世紀後半から20世紀の初頭にかけて活躍した「エスケープ・アーティスト」
ハリー・フーディーニという人物がいた。
ハリー・フーディーニ
雪纖瘦
この人物、全身縛られ、手錠までされた状態で
閉じ込められた箱から脱出をはかったり、
生き埋め状態から生還するといった離れ業をおこなった人物。
なぜ、このようなことを始めたかについて、
1909年に発刊された『魔術師年鑑』にそのいきさつが書かれている。
それによると、
「あるとき警察と手錠につながれた少年があらわれ、
手錠のカギをなくしてしまったので何とかして欲しい、ということだったが、
それに合うカギがないため、揺さぶったり、叩いたりしているうちに、
この種のカギの重大な基本的な謎が解けた」と表現している。
すなわち、カギを使わずに脱出する方法を見つけ出した、ということらしい。
それから、様々な脱出の興行を行なった。
たとえば、200ポンドのおもりをつけた棺(ひつぎ)に密閉されたり、
川底に沈められたりするところから脱出したり、
中には、本当に警察に捕まり、手錠されて護送車に乗せられたにも関わらず、
8分で抜けて出てくるなどというワザで、
ニューヨーク市民を驚かせたという話もある。
彼が死んで埋葬された時も、「すでに脱出している?」
というウワサが飛び交ったほどだった。
世の中には、そんな脱出を願望する人物も数多くいる。
昨夜、全世界を駆け巡ったニュースに、中国の保守派の重鎮、周永康氏が、
汚職容疑で逮捕された、と出ていた。
反汚職の号令のもと、習近平国家主席の「虎もハエも 一網打尽にする」という
公約通り「虎」を捕らえたことになる。
この「虎」、どんな手を使ってでも脱出したいところだろう。
さて、この「檻(おり)」から脱出はあるか?