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花見の宴

想いは北海道

まずは足が速い

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まずは足が速い

強者どもが夢の跡。夕暮れと同時に冷たい北風が吹き抜ける野球場には、もはや月影落ちてもスタンドに歓喜はない。今シーズンの公式戦は全て終わった。地上波放送で完全中継された日本シリーズも、あっけ無い形で決着がついて仕舞った。あっけ無く終わったプロ野球。されどプロ野球。力の限り、打って走って捕って投げる真剣勝負。プロ野球の醍醐味は一度味わった者には、どうにも捨てがたい。
yakyuu
 しかし、レギュラーシーズンの公式戦が地上波テレビから消えて以降、その醍醐味を楽しむ機会が減ってしまったことは誠に残念である。一度目にしてしまえば、あっという間に虜にされてしまいそうな魅力のある選手や、誰もが卓悅冒牌貨驚くビッグプレーも、なかなか世間一般に認知されないとなれば、惜しい限りである。それが地方球団であれば尚の事である。そんな御時世だからこそ、この際、是非紹介しておきたい選手が一人いる。

 菊池涼介23歳、広島カープ所属の3年目の選手である。その選手は、ひと際異彩を放つ野性味たっぷりの二塁手である。なによりもまず、守備位置に度肝を抜かれる。内野手でありながら、ランナーのいない時には平気で外野の芝生で守る。こんな大胆なポジションをとる二塁手は12球団で彼だけである。彼を除いてこのようなスタイルをとる選手は、私が知る限りシアトルマリナーズのカノ選手しか知らない。

 昨シーズン、レギュラーに定着した菊池選手は、先に述べた通りの深い守備位置から、右へ左へと走りに走って常人では追いつけないヒット性のゴロを次々にキャッチした。しかし、彼が凄いのはこのあとである。無理な体勢で捕えたボールを持ち前の強肩で送球し、あれよあれよとアウトを積み重ね、二塁手としての補殺記録を大幅に上回る528個の日本記録を樹立した。驚くなかれ、今シーズンは、535個と更に記録を伸ばした。

 とにかく彼は身体能力が飛び抜けて高い。まずは足が速い。のみならず肩が強い。そして動作が機敏である。機敏であるがために、どんな打球でも捕球後1秒以内には送球ができる。これだけの身体能力があるからこそ、内野の遥か後方に守備位置が取れる。深い守備位置をとれるが為に、セカンドベース後方からライト前までの範囲をケアできる。まさに類まれな選手である。

 先頃、今年度のゴールデングラブ賞が発表された。当然のごとく、菊池涼介選手は両リーグ最多の得票数で文句なしの受賞となった。守備で魅了できる選手はどのチームにも必ずいる。しかし、彼のプレーの場合はそれが尋常ではないから凄いのである。いつの日か、メジャーのフィールドを駆け回る彼の姿を想像してやまない。そんな選手である。
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